連帯債務・連帯保証債務と相続
ご相談例:
「亡くなった主人は、友人の事業資金を銀行から借り入れた際の連帯債務者となっていました。
この債務も相続しなければならないのでしょうか?」
1.連帯債務は相続される
- 連帯債務者の一人が死亡した場合、その相続人が法定相続分に応じて連帯債務を引き継ぐことになります(民法464条、446条)。
- つまり、連帯債務の性質上、残存債務は本来の債務者と相続人の双方が連帯して返済義務を負うことになります。
2.相続人が債務の存在を知らなかった場合
- 相続人が連帯債務の存在を知らなかった場合でも、債権者から連絡がない限り、知らずに相続してしまうことがあります。
- この場合、例えば不動産などをすでに名義変更していたとしても、後から債権者が請求すると対応が必要となります。
3.相続放棄によるリスク回避
- 相続人が債務の存在を知った場合、家庭裁判所に申し立てて相続放棄が可能です(民法915条)。
- 期限は**「相続開始および債務を知った日から3か月以内」**です。
- 放棄が認められれば、債務だけでなく、相続財産の取得も取り消されます。
- すでに名義変更や財産取得をしていた場合でも、放棄の手続きを行う必要があります。
4.注意点
- 連帯債務・連帯保証債務の相続は、単なる債務相続ではなく、実務上トラブルになりやすい
- 名義変更済みの財産の放棄や、債権者との調整が必要になる場合がある
- 家族に事前に情報を伝えることが非常に重要
- 「家族に内緒で連帯保証人になっていた」ケースは多く、後から発覚すると対応が複雑
- 相続放棄のタイミングと家庭裁判所手続きが重要
- 期限内に申述しないと、債務を負う可能性が残る
5.まとめ
- 連帯債務・連帯保証債務は相続される
- 相続人は法定相続分に応じて債務を負う
- 債務の存在を知らなかった場合でも、債権者からの請求があると相続人が対応する必要がある
- 債務が財産を上回る場合、相続放棄による回避が基本手段
- 放棄には家庭裁判所の申述と期限の順守が必要
- 事前に家族へ債務情報を伝えておくことが実務上の最善策
