子供のいないご夫婦のための遺言書作成の重要性
― 公正証書遺言をお勧めする理由 ―
ご主人のみ、あるいは奥様のみで遺言書の作成を検討されている方もいらっしゃいますが、ご夫婦それぞれが遺言書を作成しておくことで、相続発生時の不安やトラブルを大きく減らすことができます。
特に、全ての財産を配偶者に相続させる内容とする場合には、後述のとおり、兄弟姉妹には遺留分が認められていないため(民法第1042条)、遺留分侵害額請求を心配する必要はありません。
兄弟姉妹が相続人となる場合の注意点
配偶者以外の相続人として、兄弟姉妹や甥姪に財産を承継させる場合には、
遺言書の内容を確実に実現するため、公正証書遺言の作成を強くお勧めします。
公正証書遺言の作成にあたっては、
被相続人と相続人との身分関係を証明するため、戸籍謄本一式の提出が必要となります。
当事務所では、戸籍謄本等の収集・取得の代行も行っておりますので、ご負担を最小限に抑えた形で遺言作成を進めることが可能です。
子供のいないご夫婦に遺言書が必要な理由
子供のいないご夫婦のどちらかが亡くなった場合、遺言書が存在しないと、法律で定められた相続人全員による遺産分割協議が必要となります。
この協議が整わない場合には、
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不動産の名義変更(相続登記)
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預貯金の解約・払戻し
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有価証券の名義変更
といった相続手続きが事実上ストップすることになります。
特に現在は、
**相続登記が義務化(2024年4月施行)**されており、正当な理由なく登記をしない場合には過料の対象となる可能性もあります。
そのため、相続発生後に手続きが滞るリスクを避けるためにも、事前の遺言書作成が重要です。
子供のいないご夫婦の法定相続人(民法の定め)
子供のいないご夫婦の一方に相続が発生した場合、民法により、以下の順で相続人が定められます。
法定相続人の順位(民法第890条・第889条)
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被相続人の配偶者
(夫に対する妻、妻に対する夫)
※配偶者は常に相続人となります。 -
被相続人の父母・祖父母(直系尊属)
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被相続人の兄弟姉妹
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兄弟姉妹が既に亡くなっている場合の甥・姪
(代襲相続)
再婚などで子供がいる場合の注意点
被相続人に実子・認知した子がいる場合には、
その子と配偶者が相続人となります(民法第887条)。
この場合、
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現在の配偶者との間の子であるかどうか
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前婚で生まれた子であるかどうか
にかかわらず、被相続人の子であれば全員が相続人となります。
実務上よくある相続人構成
若くして亡くなった場合を除くと、
子供のいないご夫婦の相続では、次のケースが多く見られます。
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相続人が「配偶者 + 被相続人の兄弟姉妹」
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兄弟姉妹の一部が既に亡くなっており、
相続人が「配偶者 + 兄弟姉妹 + 甥姪」
このような場合、
面識や交流の少ない義理の兄弟姉妹・甥姪との遺産分割協議が必要となり、
精神的・実務的な負担が大きくなる傾向があります。
まとめ:公正証書遺言で「配偶者に確実に財産を残す」
子供のいないご夫婦にとって、
-
配偶者の生活を守る
-
相続手続きを円滑に進める
-
不要な紛争を防ぐ
これらを実現する最も確実な方法が、
公正証書遺言の作成です。
当事務所では、
相続関係の整理から戸籍収集、公正証書遺言作成のサポートまで、
行っております。
遺言書作成をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
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