遺留分を請求するために必要な手続きと注意点
遺留分を請求したい場合、まず最初に行うべきことは、**「遺留分を請求する意思表示」**です。
これは非常に重要なポイントです。なぜなら、遺留分の請求権(正確には「遺留分侵害額請求権」)には、厳格な時効・除斥期間が定められているからです。
遺留分侵害額請求権の期間制限
民法第1048条により、遺留分侵害額請求権は、次の期間内に行使しなければなりません。
- 相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内
- または、相続開始の時から10年以内
この期間内に請求の意思表示をしなければ、時効(または除斥期間)により権利は消滅してしまいます。
実務上、
「弁護士に依頼して安心していたが、他の案件に追われている間に1年を経過してしまい、結果として遺留分請求権が消滅した」
という事例も実際に発生しており、この場合、弁護士が損害賠償責任を負った判例も存在します。
最優先すべきは「意思表示」
このようなリスクを回避するため、遺留分を主張する場合には、まずは何よりも先に意思表示を行うことが重要です。
実務では、内容証明郵便による請求が一般的かつ有効な方法とされています。
内容証明郵便とは
内容証明郵便とは、
「いつ・誰が・どのような内容の文書を送付したか」
を郵便局が証明してくれる制度です。
遺留分侵害額請求においては、
- 請求の意思表示をした事実
- その日時
- 請求内容
を客観的に証明できる点で、極めて重要な役割を果たします。
配達証明の付加は必須
なお、内容証明郵便を送付する際には、**必ず「配達証明付」**とする必要があります。
配達証明を付けることで、
- 相手方に実際に到達した日
- 相手方が受領した事実
を証明でき、時効完成の有無を巡るトラブルを防止することができます。
まとめ
- 遺留分請求は待ったなしの手続きである
- まずは内容証明郵便(配達証明付)で意思表示を行う
- 請求の詳細な計算や交渉は、その後に進めればよい
- 2019年民法改正により、現在は**金銭請求(遺留分侵害額請求)**が原則
