1. 相続について(相続と遺言)
1) 相続とは
相続とは、人の死亡により、その人(被相続人)の財産上の地位が法律上、一定の者に承継されることをいいます(民法第 inheritance規定)。
相続が行われる背景には以下があります:
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遺族の生活保障:被相続人の死後も遺族が生活できるよう財産を承継する必要がある
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遺族の貢献の評価:内助の功や家業の維持など、遺族の貢献に対する報いとして財産を承継
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社会的期待:事業や取引関係が円滑に継続されることを社会が期待
特に事業承継においては、相続による財産の移転と事業の継続が密接に関係するため、専門家への相談が重要です。
2) 相続の開始
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相続は被相続人の死亡によって開始します(民法第887条)。
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法的手続き上は死亡日、あるいは相続人が相続開始を知った日から権利義務が発生します。
3) 遺言書の有無の確認
遺言書は以下の種類があります:
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公正証書遺言:公証役場で作成された正式な遺言
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自宅で発見できない場合は、公証役場へ問い合わせる
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自筆証書遺言:自宅に保管される遺言
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勝手に開封せず、家庭裁判所で検認を受ける必要があります(民法第1004条)
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封印がある場合に勝手に開封すると5万円以下の科料の制裁対象
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遺言書があれば内容を確認し、相続財産の名義変更手続きや遺言執行を進められます。遺言書がない場合は遺産分割協議を行います。
4) 相続人(法定相続分)
相続手続きの第一歩は法定相続人の確定です。
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被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍・改製原戸籍含む)
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相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明)
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住民票の除票
を収集して、法定相続人を整理します。
A) 法定相続分(民法第887条~900条)
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配偶者:常に相続人。ほかの相続人がいる場合はその者と同順位
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子:第一順位の相続人
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配偶者と子が相続人の場合、相続分は各2分の1
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子が複数いる場合は均等
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非嫡出子は嫡出子の相続分の2分の1
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子が先に死亡した場合や欠格・廃除に該当した場合、その子が代襲相続
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胎児:出生すれば相続人とみなされます(民法第886条)
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養子:実子と同様に相続権あり。養子縁組前に生まれた子は直系卑属にならない
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直系尊属(両親など):第一順位がいない場合に相続人
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複数いる場合は均等
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配偶者と直系尊属が相続人の場合、相続分は配偶者3/2、直系尊属1/3
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兄弟姉妹:第三順位
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第二順位がいない場合に相続人
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配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、配偶者4/3、兄弟姉妹1/4
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父母の一方のみを同じくする兄弟は、双方を同じくする兄弟の半分
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B) 欠格・廃除
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欠格(民法第891条)
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被相続人を故意に死亡させた、遺言書を破棄・隠匿・変造した等
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廃除(民法第893条)
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被相続人への虐待、侮辱、その他許し難い非行
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生前廃除:被相続人が請求
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遺言廃除:遺言執行者が請求
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廃除の効力は被相続人死亡時に遡及
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廃除の取消は家庭裁判所で可能、遺言による廃除も可
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5) 相続分の特例
A) 特別受益(民法第903条)
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結婚時の持参金や生計の資本など、相続人が生前贈与を受けていた場合
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相続開始時の財産に贈与価額を加算し、相続分から控除して計算
B) 寄与分(民法第904条)
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被相続人の事業・財産維持に特別寄与した相続人(労務、財産上の給付、療養看護等)
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協議により寄与分を控除・加算して相続分を調整
注意:特別受益・寄与分は相続人でない者は請求できません。
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