相続・遺贈・贈与の違いと相続対策
相続や遺贈、贈与は日常でも耳にする言葉ですが、法律上の意味はそれぞれ異なります。
1.相続(民法882条以降)
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被相続人(亡くなった方)が残した財産を、法定相続人が取得することを相続といいます。
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法定相続人には配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹などが含まれます(民法887条~890条)。
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相続のメリットの一つは、相続税の控除がある点です。
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配偶者の法定相続分までの財産は非課税
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基礎控除:3,000万円 + 法定相続人1人につき600万円(2026年現在の改正後基準)
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つまり、相続税の課税対象となる財産には、一定の控除が認められるため、相続税がかかりにくいケースがあります。
2.遺贈(民法968条~969条)
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遺言によって、特定の第三者に財産を譲ることを遺贈といいます。
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遺贈は、相続人でない者にも財産を譲ることができる点で、相続と異なります。
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遺贈を受けた人は、相続税の課税対象になります(贈与税ではなく相続税の扱い)。
3.贈与(民法549条~560条)
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生前に財産を譲ることを贈与といいます。
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贈与税が課税され、年間110万円までの基礎控除があります(暦年課税)。
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それ以上の金額には、税率10%~55%がかかります(特例を除く)。
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贈与は相続開始前の財産移転として、相続対策の一手段として利用されますが、高額な贈与には注意が必要です。
4.相続対策の手段
現代では、単に生前贈与するだけでなく、様々な手段を組み合わせて相続対策を行うことが増えています:
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生前贈与:贈与税の非課税枠を活用
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遺言:遺留分を考慮しつつ、特定の人に財産を残す
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死因贈与契約(民法551条):死亡時に効力を生じる契約
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家族信託:財産の管理・承継を柔軟に設定可能
これらの方法を組み合わせることで、節税だけでなく、家族間のトラブル回避や財産の円滑な承継にもつながります。
5.ポイント
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相続・遺贈・贈与にはそれぞれ法的効果と税制上の取り扱いの違いがあります。
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生前贈与や家族信託などの相続対策は、税制改正や民法の改正に対応して設計することが重要です。
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適切な対策を行うためには、税理士・司法書士・弁護士などの専門家に相談しながら進めることが安全です。
